桃源郷 山陽
旧山陽町は県内有数の桃の産地として知られています。春には、家々の屋根が桃の花の中にういているかのような美しい風景が広がります。この地の桃の歴史は古く、約2000年前の弥生時代まで遡ります。現在、私たちが食べている大きくて美味な桃は、明治以降果樹栽培の先駆者によって品種改良された桃です。
赤磐の桃
恵まれた気候風土の中で徹底された技術で栽培されている岡山の桃。桃のシーズンは6月中旬の「はなよめ」から7月中旬の「白鳳」、そして岡山の代表品種「清水白桃」を経て9月の「白皇」「白露」まで4か月にわたり様々な品種が栽培されています。そして今、冬に食べる事の出来る「冬美白」が誕生しました。
冬美白の特徴
全国的にもまだ珍しい冬の桃。数品種ある他の冬の桃と「冬美白」の最大の違いはその果実の大きさ。平均330gを超え、500g強の果実も。糖度も他品種よりも平均して高く、中には20度を超えるものもあります。昨今の消費者のニーズにこたえるなら「ただ甘い桃」をお届けするのが好まれるのかもしれません。しかし我々生産者は糖度、桃の風味、香り、酸度等のバランスを考え桃が一番おいしい状態を見極め収穫し、消費者の方々へお届けすることを心掛けています。ただ甘いだけではない「本物」の桃のおいしさこそが冬美白の最大の特徴です。
名前の由来
まだ名前すらなかったこの桃に名前を付ける際に地元の小学校の生徒に協力して頂きました。500を超える応募の中から一番多かった文字を3文字選び「冬美白」となりました。これは「冬に美しい白桃」というだけではなく、赤磐のある東備地方にかけ、赤磐を、そして岡山を代表する桃へ成長してくれることへの願いを込めて命名いたしました。
生産者の想い
数年前偶然にも私の手元にやってきた冬に収穫できる桃の穂木。「この桃と共に何か出来ないだろうか?」をコンセプトに山陽地区の若手桃農家有志と「冬美白プロジェクト」をスタートさせました。「ここでしか栽培されていない、ここでしか手に入らない」そんな魅力的で神秘的な冬に食べることの出来る桃をようやく皆様にお届けできることになりました。そして次世代へとこの桃魂(とうこん)を継承し、山陽地区の桃の歴史のページを築きあげていけたらと思っております。
冬美白プロジェクト
代表 今井 浩二